植物相調査では、出現時期や開花時期などを考慮して調査対象地を踏査し、確認種をリストアップしていきます。
植生調査では、航空写真などからの判読や現地調査、群落の大きさに応じたコドラート調査などを基に群落区分を行い、植生図の作成を行います。
植物調査風景
エレクトロフィッシャーを用いた採捕
魚類の生態に応じた適当な時期において、タモ網、サデ網、投網、刺網、定置網、延縄、セルビン、ドウなど、生息環境に適した漁具を選定して採捕を行います。
エレクトロフィッシャー(電気ショッカー)を用いることで、魚体の損傷を極力抑え、岩陰や石礫の間、底泥中に潜む魚類を効率的に採捕することが出来ます。
サーバーネットを用いた定量調査
底生動物は魚類などの餌量生物として重要である他、河川では水質階級に応じた指標生物が選定されるなど、水中の状態を反映する指標の一つとなっています。
底生動物調査では、調査エリアに生息する多様な種をリストアップするための定性調査の他、サーバーネットや採泥器を用いて、単位面積あたりの生息種を把握するための定量調査を行います。
ライトトラップ法による採取
昆虫調査では、生活史に応じた適切な時期に様々な採取方法を用います。
採取方法には、踏査しながらの見つけ採り法、捕虫網を使ったスウィーピング法、木の枝葉などをたたいて落下するものを捕獲するビーティング法、夜間に飛翔して水銀灯や蛍光灯に集まるものを捕獲するライトトラップ法、地表に餌の入ったトラップを埋設し、徘徊するものを捕獲するベイトトラップ法などがあります。
クロサンショウウオの卵塊
両生類の生息は、水域と陸域の連続性が適切に保全されている必要がありますが、近年、水田の乾田化、ため池のコンクリート護岸化、道路による移動の分断などによって生息地が消滅する場合が少なくありません。また、爬虫類では道路横断中の事故などによって個体数が減少する場合があります。
両生類調査では、泣き声や成体の確認、卵塊や幼生の確認など、適切な時期に調査を行います。爬虫類調査では、踏査による目視確認や脱皮殻の確認などを行います。
ツキノワグマの爪跡
哺乳類の生息は地形や地域に生息・生育する動植物の影響を大きく受けます。
哺乳類調査では、泣き声や足跡、糞、食痕などのフィールドサイン調査や、モグラ類・ネズミ類・ヒミズ類といった小型種を捕獲するためのトラップ調査などを行います。
定点調査風景
鳥類調査では、フィールドスコープによる目視確認や鳴き声による確認を行います。
調査方法は、調査範囲全体を踏査しての確認や、決められたルートを一定の速度で歩き、ルートの両側で確認された鳥類を記録するラインセンサス調査、見通しの良い場所に観測点を設定し、確認された種の飛翔コース、時刻、繁殖期特有のディスプレイなどを記録する定点調査などがあります。
動物プランクトン(カイアシ類の一種)
ダム湖や海域において、富栄養化の指標として、また、上位の動物群の餌量として植物プランクトンや動物プランクトンを把握します。
採取した試水をプランクトンネットでろ過したり、濃縮したりすることで得られたサンプルを顕微鏡下で観察し、種類を同定するとともに、細胞数・個体数を計数します。
魚類等の動物の行動追跡のため、タグや鰭切などの外部標識を用いた放流調査や、電波発信機を用いたテレメトリー調査を行います。
魚類のテレメトリー調査では、魚類に装着した発信機からの電波を追跡することで、河川での移動経路や魚道の遡上の様子などを把握することが可能です。
電波受信機を用いた追跡風景
魚毒性試験は、化学製品の溶出液や各種排水などが生態系へ及ぼす影響を評価するための手法の一つです。当社では、魚類に対する短期的な影響を評価するため、「魚類による急性毒性試験(JIS K 0102.71)」に従い試験を行います。
試験方法は、試料濃度を段階的に変えた水槽の中でヒメダカなどを飼育し、24時間後、48時間後、96時間後の死魚数を観測し、50%の供試魚が死亡する濃度を算出します。
魚毒性試験
学校の野外教室や地域の子供会などで、パックテストによる簡易的な水質検査や、水生生物を指標とした水質評価など、身近な自然を通じて環境への関心を高めてもらえるようお手伝いいたします。
環境学習